4月22日、東京医科歯科大学統合研究機構の武部貴則教授によるWeb講演が開催されました。
演題の「腸呼吸(EVA)法を用いた新しい呼吸不全治療の試み」で紹介されたEVA法は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連重症呼吸器合併症である低酸素血症を伴う呼吸不全治療として注目されている新たな呼吸管理法です。
この講演は、当センターの髙尾病院長が武部教授らの研究に賛同したことから実現し、講演は滞在先のバンクーバーと種子島をオンラインでつなぎ昼休み時間を使って行われました。今回はWeb講演ということもあり、職員以外の方々にも広く公開され、会場となった当センター4階大会議室には約20名、オンラインでは24名が参加し、新しい呼吸法への興味の高さを示しました。
武部教授は、ドジョウのように低酸素環境下で生存するために腸から呼吸する独特な仕組みを持つ生物が存在することからヒントを得て開発された腸呼吸(EVA)法について、人気アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』に影響を受けEVA法と名付けたことを打ち明け、エヴァンゲリオン世代の共感を誘いました。ちなみに、汎用人型決戦兵器エヴァンゲリオン(EVA)が液体の中で呼吸が出来ることに由来するそうです。
講演では、お父様の病気がきっかけで医師を目指したこと、「アラートパンツ」というメタボ予防の下着を開発したこと、横浜の大学病院で「ストリート・メディカル」というプロジェクションマッピングを実施したり、化学療法室のカーテンにイラストを入れたり内装のイメージチェンジをして入院中の子どもたちを喜ばせたこと、さらにチョコレートに香りをつけて嗅覚の状態をチェックし、病気を発見する物質を開発したことなど、これまで実践してこられた明るい取り組みについても紹介してくださり、あっという間の1時間でした。
武部教授の発想やモチベーションは、“いつもと違うことをしてみる”ことだそう。固定概念を捨てて考え直すと新しい発見につながる。武部教授のお話をうかがい可能性は無限大であることを実感し、明るい気持ちになれました。
貴重な講演を開催していただき、ありがとうございました。