「朝顔の花が咲く条件」 五木寛之(作家)
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私もいつの頃からか、長いスパンで考えて思い煩うのはやめて、
きょう一日を丁寧に生きようと考えるようになりました。
朝起きると、きょうも何とか、目を覚ますことができたと感謝して、
夜にはあぁきょうも一日終わったと安堵して眠りに就く。
もちろん穏やかで、気持ちのよい日もあれば、ため息ばかりの重苦しい日もあります。
しかし、どんな日も、かけがえのないきょう一日と受け止めて、
その日その日を味わい、丁寧に生きることが大切だと感じています。
最近のニュースを見ていると、世の中がどんどん悪くなっていくように感じられてなりません。
ただ、人間というのは希望がなくても生きられる。真っ暗な中でも生きていくんです。
朝顔の花は、朝の光を受けて咲くものだと思われていました。
けれども、ある植物学者が、朝顔のつぼみに二十四時間、光を当てても花は咲かなかったそうです。
朝顔の花が咲くには、朝の光に当たる前に、夜の冷気と闇に包まれる時間が不可欠なんです。
人間も同じで、明るい所で光を見ても、その明るさは感じにくい。
闇の中で光を見るからこそ、それを光明と感じて感動し、生きる意欲も生まれてくるのです。
暗くて重い現実の中にも、明るく瑞々しい、小さくても微かな光は必ずあります。
そして、どちらを見つめるかで、生き方は大きく変わってくる。
世の中に様々な風が吹き荒れていますが、
何とかきょうまで生きてきたこと、とりあえずいま生きていること。
そのことの価値を認めて、一日一日を大切に積み重ねていきたいものです。
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いよいよ病院機能評価ですね。自信を持って望んでいいと思います。
私たちが、普段からどれだけ、島民のために頑張っているか。アピールしましょう。
理事長 田上 寛容