田上理事長の講話
令和6年11月

「朝顔の花が咲く条件」 五木寛之(作家)
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私もいつの頃からか、長いスパンで考えて思い煩うのはやめて、

きょう一日を丁寧に生きようと考えるようになりました。

朝起きると、きょうも何とか目を覚ますことができたと感謝して、

夜にはあぁきょうも一日終わったと安堵して眠りに就く。

もちろん穏やかで気持ちのよい日もあれば、ため息ばかりの重苦しい日もあります。

しかし、どんな日もかけがえのないきょう一日と受け止めて、

その日その日を味わい、丁寧に生きることが大切だと感じています。

最近のニュースを見ていると、世の中がどんどん悪くなっていくように感じられてなりません。

ただ、人間というのは希望がなくても生きられる。真っ暗な中でも生きていくんです。

朝顔の花は、朝の光を受けて咲くものだと思われていました。

けれども、ある植物学者が朝顔のつぼみに二十四時間光を当てても花は咲かなかったそうです。

朝顔の花が咲くには、朝の光に当たる前に、夜の冷気と闇に包まれる時間が不可欠なんです。

人間も同じで、明るい所で光を見ても、その明るさは感じにくい。

闇の中で光を見るからこそ、それを光明と感じて感動し、生きる意欲も生まれてくるのです。

暗くて重い現実の中にも、明るく瑞々しい、小さくても微かな光は必ずあります。

そして、どちらを見つめるかで生き方は大きく変わってくる。

世の中に様々な風が吹き荒れていますが、

何とかきょうまで生きてきたこと、とりあえずいま生きていること。
そのことの価値を認めて、一日一日を大切に積み重ねていきたいものです。

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いよいよ病院機能評価ですね。自信を持って望んでいいと思います。

私たちが、普段からどれだけ、島民のために頑張っているか。アピールしましょう。


理事長 田上 寛容