「One Crew, One Mission」が評価される時代
まず注目したいのが、新設された「看護・多職種協働加算」です。これはまさに、私たちが掲げている「One Crew, One Mission」の理念そのものです。
ロケットの打ち上げに無数の専門家が関わるように、医療もまた、医師や看護師だけでなく、理学療法士、管理栄養士、そしてすべてのスタッフが一つにならなければ成り立ちません。単なる業務の切り分けではなく、職種の壁を越えて、高齢患者さんを受け入れから在宅復帰までシームレスに支えるチーム医療が、病院を支える大きな力として評価される形となりました。
断らない救急への力強い後押し
今回、「夜間休日救急医学管理料」が拡充され、救急車だけでなく、夜間や休日に不安を抱えて歩いて来院される患者さんへの対応も手厚く評価されるようになりました。
また、「救急患者連携搬送料」の下り搬送の評価も大幅に引き上げられました。これは、軽症であっても広く患者さんを受け入れ、地域の中でスムーズに医療をつないでいく姿勢が求められているということです。私たちが実践し続けている「断らない救急」のスタンスを、力強く後押ししてくれる内容と言えます。
離島の「最後の砦」を守るセーフティネット
そして、今回最も重要なポイントの一つが、限られた医療資源の中で戦う地域病院への特例措置です。
急性期の施設基準が厳格化される一方で、救急要請に多く応えている病院には「救急患者応需係数」という緩和特例が導入されました。離島という過酷な環境下で、重症度に関わらずあらゆる救急要請に応え続けている皆さんの実績が、そのまま当院の機能を守る強力なセーフティネットになったのです。
また、悪天候で本土へのヘリ搬送が飛べない際など、ICTを活用して高次機能病院の専門医と連携する取り組みも、新たに評価の対象となりました。これは、島の医療を守る私たちにとって非常に心強い仕組みです。
私たちは単に「病気を治す」ためだけにここにいるのではありません。患者さんを支え、その生活に寄り添い、再び日常へと送り出す「しあわせの医療」を実践することが使命です。
今回の改定は、「多職種が連携して患者さんを早く日常に戻すこと」が、これからの病院運営の主軸になるというメッセージです。
この種子島医療センターという一つの船に乗るクルーとして、島民の皆さんの「しあわせの医療」を共に守っていきましょう。
病院長 髙尾 尊身