365日安心を支えるリハビリテーション
たとえ病気や怪我で後遺症を患ったとしても、1日でも早く元の生活に戻り、住みなれた場所でその人らしく生活できるように。その実現のために「リハビリテーションセンター」では、機能回復効果を最大限に生かすリハビリテーションを早期に取り入れ、365日対応。超急性期から回復期、在宅生活まで支援するトータルリハビリテーションを行っています。
〈当センターのリハビリテーション〉
チーム医療で支える積極的なリハビリテーション
超急性期のできるだけ早い段階から取り入れ、365日対応する積極的なリハビリテーションを行っています。2006(平成18)年には、急性期の治療を終えた患者さんのADLや認知機能の改善、社会生活への復帰のためのリハビリテーションを専門に行う「回復期リハビリテーション病棟」(48床)を設置。医師、看護師、管理栄養士、ソーシャルワーカーら専門スタッフとワンチームとなって、診療、手術、入院、在宅復帰まで、スムーズなリハビリテーションを実施。当センターは「地域リハビリテーション広域支援センター」としての役割も担っています。
熊毛高齢者保健福祉圏域
地域リハビリテーション広域支援センター
地域リハビリテーション広域支援センター
熊毛圏域のリハビリテーションの中核となる機関として、2004年に鹿児島県より地域リハビリテーション広域支援センターに指定されました。地域リハビリテーション、福祉用具、住宅改修といった地域住民からの相談対応、リハビリテーション施設や従事者にリハビリテーション技術や研修会をサポートするなど、様々な支援を行っています。
疾患・症状に対応した専門性の高いリハビリテーション
脳血管障害、運動器のリハビリテーションを中心に、呼吸器疾患、廃用症候群、摂食嚥下障害、脳性麻痺などの様々な障害、さらにはがんまで、理学療法、作業療法、言語聴覚療法の高い専門性を活かし、それぞれの疾患や症状に対応したリハビリテーションを提供しています。治療対象となる患者さんは年間延べ85,000件に上り、入院から外来、在宅まで年代も0歳のお子さんから超高齢者まで幅広く対応します。
〈疾患別リハビリテーション〉
【対象疾患】
脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)、中枢神経疾患(脳腫瘍、脳膿瘍、脊髄損傷、脊髄腫瘍など)、神経疾患(多発性神経炎、多発性硬化症、末梢神経障害など)、慢性の神経筋疾患(パーキンソン病、脊髄小脳変性症など)、高次脳機能障害(失行症、失認症、失語症、高次脳機能障害など)、聴覚・言語機能の障害(手術や肺炎等の治療の長期安静により)
脳血管疾患(脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など)、中枢神経疾患(脳腫瘍、脳膿瘍、脊髄損傷、脊髄腫瘍など)、神経疾患(多発性神経炎、多発性硬化症、末梢神経障害など)、慢性の神経筋疾患(パーキンソン病、脊髄小脳変性症など)、高次脳機能障害(失行症、失認症、失語症、高次脳機能障害など)、聴覚・言語機能の障害(手術や肺炎等の治療の長期安静により)
【リハビリテーション内容】
筋力トレーニング/言語訓練/摂食嚥下訓練/関節可動域運動/神経筋促進運動/日常生活動作練習/有酸素運動/レジスタンストレーニング/物理療法など
筋力トレーニング/言語訓練/摂食嚥下訓練/関節可動域運動/神経筋促進運動/日常生活動作練習/有酸素運動/レジスタンストレーニング/物理療法など
【対象疾患】
急性の運動器障害(大腿骨頚部骨折、上腕骨骨折、脊椎圧迫骨折、筋腱断裂など)、慢性の運動器疾患(関節の変性疾患、関節の炎症性疾患など)
急性の運動器障害(大腿骨頚部骨折、上腕骨骨折、脊椎圧迫骨折、筋腱断裂など)、慢性の運動器疾患(関節の変性疾患、関節の炎症性疾患など)
【リハビリテーション内容】
筋力トレーニング/関節可動域運動/バランス訓練/パワーリハビリテーション/物理療法(温熱・寒冷療法)/日常生活動作練習(起居動作、歩行、車椅子移乗、トイレ動作)
筋力トレーニング/関節可動域運動/バランス訓練/パワーリハビリテーション/物理療法(温熱・寒冷療法)/日常生活動作練習(起居動作、歩行、車椅子移乗、トイレ動作)
【対象疾患】
外科手術や肺炎等の治療のため長期に安静状態を継続することにより活動が低下し、身体や精神に生じた様々な状態(筋萎縮、関節拘縮、起立性低血圧、誤嚥性肺炎、褥瘡、うつ状態、見当識障害、せん妄など)
外科手術や肺炎等の治療のため長期に安静状態を継続することにより活動が低下し、身体や精神に生じた様々な状態(筋萎縮、関節拘縮、起立性低血圧、誤嚥性肺炎、褥瘡、うつ状態、見当識障害、せん妄など)
【リハビリテーション内容】
関節可動域訓練、レクリエーション、ポジショニング
関節可動域訓練、レクリエーション、ポジショニング
【対象疾患】
肺炎や重い肺炎によって生じた肺の損傷、たばこの喫煙などが原因で起こるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管切開や人工呼吸器管理などの呼吸器に対する障害
肺炎や重い肺炎によって生じた肺の損傷、たばこの喫煙などが原因で起こるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管切開や人工呼吸器管理などの呼吸器に対する障害
【リハビリテーション内容】
肺や気管支、心臓、筋などの機能を向上させ、可能な限り呼吸症状の改善を目指します。具体的には痰を出しやすくする姿勢変換から少しずつ身体を起こしていき、座ったり、立ち上がったり、歩いたりと段階づけながら身体に負荷を与えていきます。また、息切れなどの呼吸器症状が悪化しない姿勢や環境で日常生活を送ることができる方法などを指導します。
肺や気管支、心臓、筋などの機能を向上させ、可能な限り呼吸症状の改善を目指します。具体的には痰を出しやすくする姿勢変換から少しずつ身体を起こしていき、座ったり、立ち上がったり、歩いたりと段階づけながら身体に負荷を与えていきます。また、息切れなどの呼吸器症状が悪化しない姿勢や環境で日常生活を送ることができる方法などを指導します。
【疾患対象】
がんそのものによる障害(骨への転移による痛みや骨折、脳腫瘍による麻痺や言語障害、脊髄腫瘍や転移による麻痺や排尿障害、腫瘍が末梢神経を巻き込むことによるしびれや筋力の低下)、がん治療の過程で生じる障害(体力低下、肺炎などの合併症、運動障害、嚥下や発声の障害、機能障害、筋力低下など)
がんそのものによる障害(骨への転移による痛みや骨折、脳腫瘍による麻痺や言語障害、脊髄腫瘍や転移による麻痺や排尿障害、腫瘍が末梢神経を巻き込むことによるしびれや筋力の低下)、がん治療の過程で生じる障害(体力低下、肺炎などの合併症、運動障害、嚥下や発声の障害、機能障害、筋力低下など)
【リハビリテーション内容】
術前に機能障害の予防を目的とした「予防的リハビリテーション」、治療中や術後の機能回復を目的としたの「回復的リハビリテーション」、運動能力の維持・改善、廃用症候群の予防を目的とした「維持的リハビリテーション」、緩和ケア期におけるQOLの保持を目的とした「緩和的リハビリテーション」など、病期別にリハビリテーションを実施しています。
術前に機能障害の予防を目的とした「予防的リハビリテーション」、治療中や術後の機能回復を目的としたの「回復的リハビリテーション」、運動能力の維持・改善、廃用症候群の予防を目的とした「維持的リハビリテーション」、緩和ケア期におけるQOLの保持を目的とした「緩和的リハビリテーション」など、病期別にリハビリテーションを実施しています。
0歳から18歳までの、生まれつきの障害、後天性障害のあるお子さんに対し、各々の課題に沿ったリハビリテーションと支援を行っています。
【疾患対象】
発達が気になる(運動やことばの遅れ、手足が不器用など)、発達障害(ADHD<注意欠陥多動性障害>、アスペルガー症候群、LD<学習障害>など)、自閉症スペクトラム障害、知的障害、脳性麻痺、神経難病、重症心身障害、脳血管障害、脳外傷後後遺症、ダウン症候群、嚥下障害、てんかん、染色体異常症、筋ジストロフィー症など
【疾患対象】
発達が気になる(運動やことばの遅れ、手足が不器用など)、発達障害(ADHD<注意欠陥多動性障害>、アスペルガー症候群、LD<学習障害>など)、自閉症スペクトラム障害、知的障害、脳性麻痺、神経難病、重症心身障害、脳血管障害、脳外傷後後遺症、ダウン症候群、嚥下障害、てんかん、染色体異常症、筋ジストロフィー症など
【リハビリテーション内容】
身体障害に対する運動療法/発達障害に対する運動発達援助/学習・コミュニケーション発達の支援/日常生活動作能力の向上
身体障害に対する運動療法/発達障害に対する運動発達援助/学習・コミュニケーション発達の支援/日常生活動作能力の向上
新しい技術を積極的に導入
リハビリテーションの高次脳機能障害、発達障害への成果もめざましく、高齢者医療、小児医療への貢献も期待されています。当センターでは、脳卒中の後遺症に有効な促通反復療法「川平法」もいち早く導入し、川平和美先生に直接指導していただくなど、最新のリハビリテーション手技や機器を積極的に取り入れ、種子島で最新のリハビリテーション医療が受けられるように取り組んでいます。
これまで脳卒中による片麻痺(かたまひ)は機能回復が困難とされてきましたが、従来考えられていたよりも脳の可塑性(損傷を免れた他の部位が損傷した部位の役割を補うこと)ははるかに大きく、短期間で生じ得ることが明らかとなり、治療次第では回復が見込める可能性があるとされています。
促通反復療法「川平法」とは、川平和美氏(鹿児島大学名誉教授、促通反復療法研究所「川平先端ラボ」所長)が開発した神経路強化的促通療法(neuronal net constructive therapy)のことで、促通手技を用いて随意運動を実現するために必要な神経路を再建、強化することを目的としています。
患者様が意図した運動をより効果的に実現できるように、さらに振動刺激や電気刺激を利用した併用療法を実施しており、これまで治療の難しかった軽度~中等度の片麻痺上肢のうち、特に手指の麻痺の改善に効果があるとされています(効果には個人差があります)。
[寄稿文]
鹿児島大学名誉教授 促通反復療法研究所(川平先端リハラボ)所長 川平 和美
鹿児島大学名誉教授 促通反復療法研究所(川平先端リハラボ)所長 川平 和美
「鉄砲に倣い、種子島から革新的リハビリテーションを全国へ」
(平成27年度広報誌『飛魚』寄稿文より)
「リハビリテーションの進化を目指した楽しい実技講習会」
(平成30年度広報誌『飛魚』寄稿文より)
トータルリハビリテーションを地域連携で継続
リハビリテーションの効果を持続させるには、退院後自宅に戻っても機能を回復、保持するための継続的なリハビリテーション支援が欠かせません。当センターでは、地域の医療施設や介護福祉施設とも連携をとり、通所リハビリテーション、訪問リハビリテーションを行い、患者さんに合わせたトータルリハビリテーションを継続的に支援。患者さんが住みなれた地域でできる限り長く笑顔で生活できる環境を整え、島民のみなさんの安心な暮らしを支えます。
リハビリテーションセンターは、病院の「回復期リハビリテーション病棟」、「地域包括ケア病棟」でのリハビリテーション、外来リハビリテーションによって、寝たきりの防止、社会や家庭への復帰をサポート。さらに田上診療所、訪問リハビリテーション事業所、訪問看護ステーション「野の花」、介護老人保険施設「わらび苑」に療法士を配置し、通所および訪問リハビリテーションを実施。入院から在宅まで途切れることなく、一貫したリハビリをスムーズに提供する体制を整えています。