主に食道・胃・腸・胆のう・胆管・膵臓といった消化器領域疾患の診断と治療を、鹿児島大学病院消化器内科、鹿児島市立病院消化器内科と連携して、行っております。外来は週2回(火曜・木曜日)の予約制で、消化管出血や閉塞性黄疸など、救急処置が必要な疾患は救急科と連携し、救急対応しています。
当科では、胃カメラや大腸ファイバーを用いた内視鏡検査、内視鏡的治療も積極的に行っており、上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)は約1,400件/年、下部消化管内視鏡(大腸カメラ)は約700件/年と豊富な検査件数を誇り、消化器病学会関連施設、消化器内視鏡学会指導施設となっています。また、2020年4月には、オリンパス社の内視鏡機器に加えて富士フイルム社の内視鏡機器を導入し、症例に則した機器の使い分けが出来るようになり、疾患の診断精度の向上にもつながっています。
近年増加している消化器領域の悪性腫瘍については、健康診断の2次精査やスクリーニング目的の上・下部消化管内視鏡検査を行い、病変が発見された際には当センターの外科をはじめ、鹿児島大学病院、鹿児島市立病院、鹿児島市内の各病院とも密な連携をとり、早期診断、最適な治療が迅速に行える体制を整えています。
早期の食道がん、胃がん、大腸がんについては、患者さんへの負担の少ない内視鏡的粘膜下層剥離術を行い、胆のう・胆管・膵臓の領域で最も多い胆管結石による閉塞性黄疸、胆管閉塞についても、内視鏡を用いた黄疸治療、結石除去を行っております。
胃潰瘍、胃癌のハイリスク因子である、ピロリ菌に対しても積極的な除菌治療を行っております。食欲不振や腹部違和感など調子がおかしいと感じたら早めにご相談ください。
消化器の悪性腫瘍、鼠径ヘルニア、胆石症、急性中耳炎、胃潰瘍穿孔等の良性疾患、痔核等の肛門疾患、甲状腺や乳腺といった専門的知識を要する疾患、腹部、胸部、頭頸部の外傷、腸閉塞などの腹部救急疾患、マムシ咬傷など
内視鏡治療とは、胃カメラや大腸ファイバースコープを用い、開腹せずに治療・手術を行う体に負担の少ない治療法で、次のような治療を行います。
「異物除去」 魚骨や内服薬シートなどの誤飲した異物を取り出します。
「吐下血、血便、黄疸、総胆管結石」 内視鏡を用いた緊急の対応を行っています。
「ポリープ、早期の食道がん、胃がん、大腸がん」 血液検査やCT検査などを組み合わせ、深達度や進展度など正確に診断し、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)による病変のみの局所切除による治療を行います。
「進行胃癌・大腸癌」 ステント留置を行っています。
消化器疾患(悪性腫瘍、逆流性食道炎、急性胃炎、胃・十二指腸潰瘍、虚血性腸炎、憩室炎憩室出血、腸閉塞炎症性腸疾患など)、肝疾患(C型慢性肝炎、B型慢性肝炎、脂肪肝、肝細胞がんなど)、胆道・膵疾患(悪性腫瘍、総胆管結石・胆石、閉塞性黄疸、胆管炎、胆嚢炎、膵仮性のう胞、膵石症、良性膵管狭窄、重症性膵炎など)など
上部消化管 | 下部消化管 | ERCP | 合計 | |
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2015年度 | 1,682件 | 710件 | 27件 | 2,419件 |
2016年度 | 1,783件 | 768件 | 39件 | 2,590件 |
2017年度 | 1,648件 | 604件 | 41件 | 2,293件 |
2018年度 | 1,610件 | 597件 | 46件 | 2,253件 |
2019年度 | 1,513件 | 598件 | 47件 | 2,158件 |
2020年度 | 1,419件 | 574件 | 68件 | 2,061件 |
2021年度 | 1,377件 | 640件 | 41件 | 2,058件 |
2022年度 | 1,306件 | 616件 | 77件 | 1,999件 |
2023年度 | 1,402件 | 629件 | 59件 | 2,090件 |
※ERCP:内視鏡的逆行性胆道膵管造影