当科は鹿児島大学消化器内科と提携し、毎週土曜日に予約制による外来診療を行っており、患者数は年間約1,500名にのぼります。
当科では、肝機能障害、肝内占拠性病変の精査、慢性肝炎や肝硬変の管理を中心に診療しておりますが、原因不明の肝臓疾患の精査や肝細胞癌の治療のために入院が必要な場合は、鹿児島大学病院、鹿児島市立病院、鹿児島医療センターなどの鹿児島市内の肝臓疾患専門医療機関と連携して診療しています。
肝臓疾患の治療は飛躍的に進歩しており、C型肝炎については、ほとんどの方が2、3ヶ月の内服薬の治療で治る時代になりました。その一方で、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染を知りながら未治療のままの方も多くいらっしゃいます。未治療ですと肝硬変となり肝癌を合併する危険性がありますので、HCV抗体陽性を指摘され、受診を悩んでいる患者様がおられましたら気軽にご相談ください。
肝臓疾患はアルコールを飲む人に多いというイメージがありますが、最近は肥満などの生活習慣病に起因するものも多く、中でもアルコールを飲まない非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)が注目されています。
NAFLDは日本では約1,000万人、そのうち非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は約100~200万人程度存在するとされ、近年、B型肝炎やC型肝炎といったウイルス感染ではない肝癌が増えている要因に、NASH由来の肝癌が考えられています。糖尿病の患者様では特に肝癌の合併率が高くなるため、複数の生活習慣病をお持ちの方は、腹部エコーなど定期的な検査をお勧めします。
現在、経口高ウイルス薬が治療の主体となっています。2019年2月、C型非代償性肝硬変の初の経口抗ウイルス薬となるソホスブビル+ベルパタスビルが登場し、これまで治療が難しかった腹水合併や食道胃静脈瘤治療後の患者様も、病状が落ち着いていれば抗ウイルス治療が出来るようになりました。
核酸アナログ製剤の内服とペグインターフェロン製剤の皮下注射による治療が主体です。核酸アナログ製剤については、エンテカビルやテノホビル(TDF)が主流でしたが、2016年に安全性の高いテノホビルアラフェナミド(TAF)が登場しました。
TDFは強力なウイルス増殖抑制作用を有しており、TAFはTDFに比べて長期服用による腎機能障害や骨関連有害事象への安全性も高いとされています。またTAFは食後内服が可能であり、既存の薬剤で空腹時の内服に悩んでいる方がいらっしゃったら是非ご相談ください。
肝機能障害、ウイルス性肝炎、自己免疫性肝疾患、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝不全、脂肪肝、肝血管腫などの肝良性腫瘍、肝細胞癌などの肝悪性腫瘍
2016年度 | 1,472件 |
2017年度 | 1,516件 |
2018年度 | 1,436件 |
2019年度 | 1,496件 |
2020年度 | 1,501件 |
2021年度 | 1,373件 |
2022年度 | 1,391件 |
2023年度 | 1,400件 |