日本感染症学会と日本環境感染学会は、「第2波がいつ来るのかの問いに対して、残念ながら誰にも正解はわからない」とした上で、SARS-CoV-2がコロナウイルスの一種であることから、風邪コロナウイルスとしての特徴がみられるとすれば、「11月以降の秋から冬にかけて増加すること」の予測と、長期戦となる可能性を示唆しました。
しかしながら、第1波の経験を踏まえ、日本の社会は対応法を身につけており、PCR検査などの診断法も改善しているとして、第2波が来てもパニックにならずに冷静に対応することが重要だと提言しました。そして、「新型コロナと共存していくことを覚悟しておかなければならない」との考えも示しています。
学会の提言の如く、安心することなく第2波への準備が大切であることは、言うまでもありません。一方、新型コロナは、私たちの生活様式をはじめ、多くのことを一変させる重大な影響を与えました。新型コロナウイルスの消滅は難しく、これからはコロナと共に人類は生きていくことになるのでしょうか。未来はお互いの領分を認め合う(?)時代になっていくのかも知れません。
新型コロナは、私たちの医療現場にもいくつかの変化をもたらしています。
(1)外来診療の制限と減少
(2)感染対応による入院病床の制限
(3)入院面会者の制限と患者のメンタルケアへの影響
(4)感染による治療リスクを考慮した委縮医療
(5)研修会や勉強会の減少などによる私たちの医療への重大なダメージ
これらは長期間かつ断続的な現象と捉え、対応としてのオンライン診療、遠隔診断やAI診断システム、さらに医療経営の効率化などが求められます。
種子島医療センターにおいても、7月からは医療経営の効率化を積極的に進めていく方針です。各部署ならびに職員一人ひとりの、より一層の協力と建設的な発想や知恵を期待します。
今年は、種子島医療を守る正念場の年になると思います。
病院長 髙尾 尊身