明けましておめでとうございます。
種子島は大変おだやかな正月で2018年、平成30年を迎えました。
年末年始にかけて勤務して頂いた職員の皆様には心から感謝いたします。
救急も普段より多かったようで、本当にお疲れ様でした。
さて、今年の大河ドラマの主役は「西郷隆盛」ですね。
おおらかで人にやさしい西郷さんは親しみを込めて「せごどん」と呼ばれています。
その西郷さんの言葉を集めた「西郷南洲翁遺訓」に「不測の事態」の対処法が述べられています。
人生は常に不測の事態に陥る可能性があります。病気、けが、さらに地震、津波などの自然災害などです。
このような非常事態に対処するために、薩摩藩の郷中教育には、「詮議」と呼ばれる独特の教育システムがあったそうです。
現代の「ケーススタディ」と言えるでしょう。すなわち、想定問題を通して議論することで、判断力・決断力・対応力を身につける。
そして、何事にも動じない「胆力」を養う教育法だったのです。これが明治維新に大きく役立ったと西郷さんは述べています。
病院という職場においては医療事故が正に「不測の事態」に当たります。
現代では対策マニュアルを用意することが当然となっていますが、マニュアルは決して万能ではありません。
いざという場合にはとっさに判断し、瞬時に決断を下さねばならないことがあります。
私たちは常に不測の事態を想定し、繰り返しその対策を練ることで、冷静な判断、的確な行動がとれるように日々心構えをしておかなければなりません。
病院という職場には日々様々な迷いがあります。
私たちは、「命を救う」「病気を治す」「看取りをする」「健康寿命の手助けをする」など、人の人生に大きく関わることを仕事にしています。
病院という、私たちにとっては日常の場でも、大多数の患者さんにとっては、人生の「不測の事態」に直面する場所であることを肝に銘じて対応しましょう。
そして、「せごどん」のように優しく、胆力を鍛えて医療の安全を守る飛躍の年にしましょう。
今年もよろしくお願いします。
髙尾 尊身