11月朝礼講話―不寛容な時代こそプロフェッショナルをめざせ―

 

おはようございます。朝夕寒くなり、種子島でもインフルエンザが発生しました。職員の皆様は早めの予防接種をお願いします。

 

さて、最近の内閣府世論調査によると出産後も仕事を続ける女性が54%だったそうです。女性がリーダーシップをとる役職に就くことは珍しいことでは無くなった今日です。むしろ、医療分野では女性のリーダーシップが必要とされているのが現状で、病院はとくにその傾向が強い組織だと思います。本病院をはじめ種子島では女性の力が地域医療を支えていることを、私は強く感じています。

 

本院の透析患者の事例を紹介します。ある高齢の患者さんが透析を拒否される事態になり、家族もそれを受け入れているとのことでしたが、上妻看護師は家族と本人に透析の意義について説得を続け、ようやく納得と同意を得て透析治療が再開されました。この患者さんに寄り添う看護が功を奏した訳です。

 

また、新人研修会に参加した平原看護師の報告書から、相良病院・総看護部長の江口恵子さんの話を引用します。

「看護職とはプロフェッションである。例えば、これまで患者さんの希望を聞いてただ頭を洗っていただけだったが、学習することで洗髪中に必要な観察項目が分かり、バイタルサインが不安定な患者や、人工呼吸を使用している患者の洗髪も可能になる。この積み重ねでプロフェッションになれる。患者を身体的・社会的・心理的・精神的の4方面から情報収集し、各患者に合ったニーズに応じて学習していくことが大切であり、その先には1つの分野をつきつめた認定看護師という道もある」

 

今、日本の社会は「不寛容」な時代にあると言われてます。その原因の一つが「思考停止」だとの指摘があります。

すなわち、「他者への視線や配慮が欠落」し、もっぱら自分の主張ばかりを展開し、言うだけ言い放って、決して相手の話に耳を貸そうとはしないという態度と言う訳です。結果、「その社会や組織が萎縮してしまう」、「自由な言論や意見が脅かされる」と専門家は警鐘を鳴らしています。この不寛容な時代の中でこそ、皆さんがプロフェッショナルな医療従事者を目指し、思考停止ではなく自由な発想のリーダーシップで、患者に寄り添う医療をもっともっと推進させて頂きたいと思います。

 

髙尾 尊身