種子島医療センター

3月講話  フラダンスショー in 種子島医療センター

 

種子島医療センターでは、入院患者さんのためにフラダンスショーを2月9日に開催しました。事の起こりは、フラダンサーでもあるOT川畑マユコさんの発案とナープア・オカ・モクプニ・フラダンス教室およびリハビリ部署の協力によるものです。回復リハビリと地域包括ケア病棟に入院中の車イスの患者さんが観客として埋まる食堂を舞台に変えて、4歳から40歳代までのフラダンサー総勢14名が、約30分、華麗なフラダンスショーを披露しました。

 

患者さんたちの喜びと笑顔、闘病生活を耐えている顔に活気が蘇ったことが一目で分かりました。正にリハビリの精神的効果が大きく発揮されたのです。これほどの効果を与える技術を、果たして、私たちは持っているだろうか?

 

フラダンスが日本に紹介されたのは、第二次世界大戦後、日本にやってきたアメリカ兵たちによって、ハワイアン・ミュージックと共に、フラダンスがもたらされたそうです。大々的に紹介されたのは、1964年の常磐ハワイアンセンター開設が最初ではないかと言われています。

 

2006年に公開された映画「フラガール」は、常磐ハワイアンセンターの誕生から成功までの、実話をもとにしたストーリーで、大ヒットしました。この映画の影響もあり、日本でフラダンスが大ブームとなりました。

 

フラダンスは歴史的に奥が深く、手の動きや言葉に込められたものの考え方、健康的ダンスなど、さまざまな視点から魅了されるハワイの芸術舞踊です。カヒコ(古典フラ)が、日本でも注目されるようになったのは、1990年頃、今ではアウアナ(近代フラ)とカヒコがフラダンス教室で教えられているそうです。現在、日本のフラダンサー人口は、なんと100万人とか!

 

患者さんの日常生活動作と認知機能の回復に最適なリハビリ治療を見極めることは、高度の知識と経験が必要とされますが、今回のフラダンスは患者さん全員に高い精神的効果をもたらすことが判明しました。今後も、この様なリハビリ効果に繫がるイベントを続けていきたいと考えています。

 

あなたの趣味が患者を励ます技になるかも知れません。

病院長 髙尾 尊身