種子島医療センター

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公開講座「目と糖尿病のお話」を開催しました

 

 

令和8年8月9日、西之表市民会館大ホールで、2年ぶりとなる糖尿病公開講座「目と糖尿病のお話」を開催しました。

 

糖尿病は、予備軍を含めると推計2,000万人、成人の5~6人に1人が罹患しているとされる身近な病気です。種子島でも糖尿病患者は年々増加しており、当院の糖尿病内科には年間約5,000人の患者さんが訪れています。

 

今回は、糖尿病について知っていただくとともに、糖尿病の深刻な合併症の一つである「糖尿病性網膜症」についても理解を深めていただこうと、糖尿病内科部長の向井美希医師と、病院長補佐・眼科部長の田上純真医師が講演を行いました。

 

まだ台風の影響が残るなか、多くの方にご来場いただき、糖尿病への関心の高さがうかがえる講座となりました。

 

 

 

 

 

糖尿病は、一人で抱え込まず専門家と一緒に

 

司会進行は、外来師長の坂下紀子さんが務めました。

まず、向井医師が「糖尿病って何?~今日から始める糖尿病予防~」と題して講演しました。

 

糖尿病の中でも、日本人の患者さんの約95%を占めるといわれる2型糖尿病。体質や遺伝に加え、生活習慣などさまざまな要因が関わって発症します。

 

怖いのは、自覚症状がないまま進行してしまうことです。高血糖の状態が長く続くと、血管や神経に負担がかかり、脳梗塞や心筋梗塞、網膜症や腎症など、さまざまな合併症を引き起こすことがあります。

 

一方で、糖尿病は早めに見つけ、適切な治療を続けることで、進行を遅らせたり、合併症を予防したりすることができます。

 

「厳しい食事制限や退屈な運動を一人で頑張り続けるには限界があります。楽しく食べ、楽しく運動できる工夫が大切です。そのためにも、私たちを頼ってください」

 

向井医師は、薬を上手に使いながら、食事や運動などを無理なく続けること、そして医師や栄養士などの専門職と一緒に取り組むことの大切さを呼びかけました。

 

 

糖尿病と診断されたら、早めに眼科へ

 

続いて、田上医師が「糖尿病から目を守るために~糖尿病性網膜症について~」と題して講演しました。

 

糖尿病性網膜症は、糖尿病の合併症の一つで、日本における視覚障害の主な原因の一つです。

しかし、初期には痛みや視力低下などの症状が現れにくく、気づかないうちに進行してしまうことがあります。

 

網膜は、目から入った光の情報を脳へ伝える大切な組織です。毛細血管が多く集まっているため、糖尿病による血管への影響を受けやすく、重症化すると視力が大きく低下したり、失明に至ったりすることもあり、糖尿病性網膜症は、緑内障、網膜色素変性症に次いで、日本人の失明原因となる病気の第3位となっています。

 

田上医師は、糖尿病性網膜症がどのように進行し、どのような治療を行うのかを高速船に例えながら、わかりやすく解説しました。そして、「糖尿病と診断されたら、早めに眼科を受診することが大切」と呼びかけました。

 

当院の眼科では年間約500例の手術を行っており、そのうち約450例が、糖尿病とも関係の深い白内障の手術です。講演の最後には、田上医師がこれまで参加してきたAOSA(アフリカ眼科医療を支援する会)の活動についても紹介。モザンビークアイキャンプなどで行った白内障手術の様子が動画で紹介され、会場の皆さんに田上医師の活動を知っていただく機会となりました。

 

 

令和8年熊本地震 DMAT活動報告も

 

今回は、予定を変更して公開講座の前に、7月28日に発生した令和8年熊本地震の被災地支援のため出動した、当院DMAT(災害派遣医療チーム)の活動報告も行われました。

 

8月4日に活動を終えて帰院した園田満治看護部長から、被災現場の状況や、限られた医療資源の中で行われた医療支援について報告がありました。

 

実際に被災地で活動したからこそ伝えられる現場の緊迫感や、災害がもたらす深刻な被害。一つひとつの言葉から、災害の恐ろしさと、どのような状況でも人命を守るために医療を届けることの大切さが伝わってきました。

 

 

糖尿病も災害も、「早めの対応」と「日頃からの備え」が大切です。

今回の公開講座が、糖尿病について改めて考え、健康を守るための一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。

 

血糖値が高い方や糖尿病と診断された方は、糖尿病内科や眼科を受診し、医療スタッフと一緒に合併症の予防に取り組んでいきましょう。