1月朝礼講話―離島医療を育む志―

 

明けましておめでとうございます。
まず、年末年始の当番だった方々に感謝いたします。元旦から救急患者が多く大変だったようです。本当にありがとうございました。

 

さて、今日は年の始めということもあって病院の今年の抱負について話をします。種子島医療センターは今年12月に50周年を迎えます。小さな診療所として始まった田上医院が現在の総合病院になるまでに半世紀を要したわけです。皆さんは日頃あまり意識することも無いかと思いますが、種子島医療センターのように、民間病院でありながら島内で完結する医療を提供しているのは奇跡的なことです。皆さんにはここの職員であることに誇りを持っていただきたいと思います。

 

昨年、当院は「病院機能評価審査」を受け、それに向けて病院全体で様々な改善に取り組みました。外部の評価を受けることによって、病院の水準を高く保つ努力をする。これは非常に大切なことです。自分たちが提供する医療のどこが高く評価されるのか、また、自分たちにはなにが足りないのかを知り、長所を伸ばし、短所を改善することを常に考えて、医療のプロとして仕事をして頂きたいと思います。

 

残念なことに、島民の中には、鹿児島の病院に行けば、種子島よりもより良い医療、より高度な医療が受けられると思っている人がまだまだいる様です。また、職員の中にも、「離島医療には限界がある」かのような思い込みをしている人もいるようです。私は院長として、「離島」であることを言い訳にしているようでは、この病院の進歩は無いと思います。むしろ、「離島」であることをアドバンテージに変えて、種子島医療センターの医療は鹿児島県内、あるいは全国レベルでも高水準であると評価されることを目標に頑張っていきたいと思っています。

 

そのためには、職員ひとりひとりが意見を出し合って、医療センターの医療水準向上に力を貸していただきたい。皆さんは日々の業務の中で、いろいろなことを感じ、考えていることでしょう。その中に、種子島の医療をより向上させるための「カギ」があるかも知れません。議論の中から何かが生まれます。みんなが一つのテーマについて熱心に考え、話合い、新たな意見が生まれる。私は、組織が発展する時、この様なお互いの意見の交換、各々の考えを職場の仲間と共有することが大切だと考えています。それを様々なかたちで発信してください。そのアイディアを発展させ、更なる向上を目指しましょう。

 

新しい元号に変わる今年、種子島医療センターも50周年と言う節目を迎えます。今年こそ種子島の医療について、職種や部門の垣根をこえ、全ての職員による議論を深めていただきたい。私たちは何をすべきか、何を期待されているのか。その議論の中から離島医療を育む様々な「希望」が芽生えてくるのではないかと思います。志を高く持って頑張っていきましょう。

 

今年もよろしくお願いします。

 

病院長 髙尾 尊身