令和4年1月朝礼講話 ー 離島医療の新しい形 ー

 

 

新年あけましておめでとうございます。

 

穏やかな正月で2022年が始まりましたが、オミクロン君はどうしたのでしょうか。勿論、第6波を企んでいることでしょう。しかし、これが「終わりの始まり」でポストコロナはそこまで来ています。

 

さて、ポストコロナは、湧き起こる様々な変化とそれに続く「新しい形」の始まりではないでしょうか。今、種子島医療センターが離島医療として新しい進化を始めるタイミングであり、皆さんの一人ひとりがその役割を担う戦士なのかも知れない、いや、そのはずなのです。

 

2022年の箱根駅伝では青山学院大学が総合優勝しました。2015年以降、6度目の総合優勝である。常勝軍団はどのように組織されたのだろうか? 原晋監督によると、何にでも「ハイッ!」と答える子より、創造性がありアイデアを出す子の方が伸びる、また、やるべきことをやりながら、チャラいことも出来る。すなわち、伸び伸びと自分を発揮できると言う訳だ。常勝軍団には自由で闊達なコミュニケーションが形成されているのだろう。

 

マイケル・サンデルの白熱教室(NHKで放映)によれば、正解は無いかもしれないが「議論」をすること、最も大切なことは「コミュニケーションの形成」、そこに「謙虚」と「希望」が生まれる。「希望」が大事なことはみんな知っている。それでは、種子島の医療を担う私たちの「希望」とは何だろう。それは進化する離島医療のあり方を考え、議論し、より良いコミュニケーションを築き、「しあわせ」と「希望」に繋がる新しい離島医療の形を創造することではないだろうか。

 

7年前を考えてみよう。認定看護師や特定医療看護士はいなかったが、今では4人の認定看護師と特定医療看護士も4人+αが活躍している。これからも資格獲得をめざす看護師の増加とさらなる看護教育の進化が期待される。リハビリテーションは、年々全国から多くのリハビリ士が集まり注目される部署となり、学会発表も増加し、リハビリの種類も増え、その質も向上している。また、MEと放射線技師も多くなり種々の業務展開が行えるようになっている。病院環境も患者目線で少しずつ改善しつつある。一つひとつの変化が集約することで、医療の質が飛躍的に向上し、職員間のコミュニケーションも活性化する。それは患者に恩恵をもたらし、地域社会の進化に繋がってゆく。

 

種子島の医療を私たちが大きく進化させようとしている。離島医療の規模は小さいが、その発信力は高まっている。ホームページ、SNSなどによる2022年の発信力はさらに高く、かつ深く進化していくでしょう。私たちのめざす「しあわせ」と「希望」を育む離島医療の「新しい形」を発信しましょう。

 

病院長 髙尾 尊身