2月講話 リスキリングを始める時が来た

 

日本中がコロナ騒動に加えてインフルエンザ急増で明け暮れている中、経済という日本の屋台骨は日ごとに細くなり2022年の貿易収支はこれまでに無い大赤字へと転落した。円が安くなったのもその為であるが、むしろ物価の急上昇が国民生活を苦しめるようになってきた。

 

そこで、我が国の経済立て直しの為に、種々の技術のレベルアップが必要不可欠という議論が活発化している。その中で、リスキリング(学び直し)によるスキルアップや資格取得の重要性が見直されている。すなわち、収益を上げるための技術革新と人材育成が急務なのである。

 

改革や発展の前提として個人の意識改革が必要であること、多様性を受け入れること、コミュニケーションをさらに活発、スムースにすることが大切であることは言うまでもないが、加えて国民一人ひとりのリスキリングはこれらの目的を進展させるための方法として最優先の手段という訳だ。

 

さて、医療分野でもDX(デジタルトランスフォーメーション)革命が進行中である。外来業務の効率化による患者への負担減少・利便性向上、新しい医療機器の導入、診療報酬の仕組みの理解と病院運営への参画など、医療運営をサポートすることは安定した質の高い診療を提供する上で極めて大切である。

 

一人ひとりの意識改革と個性を進化させることで、病院運営の改善が次第に見える化されてきた。今、少しずつあなたたちの意識が変わり始めていることを私は感じている。私たちが始めるリスキリングは、医療業務の新しい知識や技術を身につける、あるいは自分に相応しい医療資格の獲得など小さな一歩で良いのである

 

リスキリングを考えている一人ひとりに伝えたい。怯まず挑戦することが、自分をそして病院を成長させ、さらにあなたの周りを確実に変えていく。

 

新型コロナが第5類になれば多くの変化が生じるだろう。その変化は医療を直撃し大きな混乱をもたらすかも知れない。本院がその変化に備えるためにも、また医療レベルを進化させるためにも、一人ひとりがリスキリングを始める時が来たのである

 

 

病院長 髙尾 尊身