今年度も多くの新入職員の皆さんが種子島へ来てくれました。心から歓迎いたします。それぞれの思いや望みを抱いて、恐らく初めての地へ来られたのではないでしょうか。離島という特殊な地域ではありますが、仕事の質を落とすことなく、むしろやり甲斐のある楽しい仕事が出来る所でもあります。家族と伴に来られた方には離島生活をご家族全員で満喫して頂きたいし、単身での赴任の方にはwork & lifeを大いに楽しんで頂きたいと思います。
私はこの季節になるといつも思い出す言葉があります。その言葉は荒波の社会へ漕ぎ出す若者たちへのメッセージです。私は若者ではありませんが、彼の言葉は心に突き刺さる真実を捉え、世代を超えて私たちを勇気づけています。
それは、2005年、スタンフォード大学の卒業式で、学生たちに向けられた言葉でした。
「人に与えられた時間には限りがある。だから、誰かの人生を生きて、時間を無駄にしてはいけない」
この式典に出席する少し前に、アップルの創始者である彼はすい臓癌の診断を受け、余命は6カ月ほどと宣告されていたのです。自身の命に限りがあるという事実に直面したことで、「できる限り最高の人生を生きることの大切さ」の思いが込められた強く深いメッセージとなりました。
彼が私たちに問いかけているのは、
「私は自分が望む人生を生き、自分がやりたい仕事をしているだろうか?」
すなわち、私たちが望む最高の仕事をする唯一の方法は、「自分が心から愛する仕事をすること」ではないかと問いかけているのです。
心から愛する仕事で離島医療を有意義にし、種子島での生活を楽しくすることがあなたには出来ます。また、ここでの仕事と暮らしが、あなたの仕事が最高の仕事であることを教えてくれるかも知れません。
病院長 髙尾 尊身