7月講話 発熱の夏 ―安全に、迅速に、命を救う季節―

 

梅雨が明けると爽快な青空と海と緑の種子島になる。

だが、今年の夏は今までの夏とちょっと違うようだ。

 

2類から5類へと、コロナ禍から脱出できた(我々が勝手にそう考えた)・・・オミクロン君の警告通り(このウイルスには2類も5類も関係ない)、コロナ患者が再び増加し始めた(第9波だ)。さらに、インフルエンザも同調したかのように急増している。職員も感染しているが、小児の感染が急増している。ウイルス干渉を唱えていた学者たちは沈黙? 米国の小児科医によれば、子供にとって3年間のウイルスフリーの生活は、解除後に種々のウイルス感染急増のハイリスクを伴うとの警告が現実となってきた。

 

種子島の人口が増加している。多数の馬毛島工事関係者が入島しているからなのだが、人口急増には感染拡大をはじめ様々な弊害が伴う。この島ではあり得ないと思われていたことだが、治安悪化や住居確保への不安が広がっている。医療の視点から見ても予期せぬ感染拡大という人口増加による大きな負荷が私たちにのしかかる。

 

さて、夏の救急と言えば熱中症だ。高齢者比率が増加している種子島では、室内といえども要注意だ。また、炎天下の馬毛島で工事に従事する方々にはリスクが高い。予防、早期対応に繋がればと、「市政の窓 7月号」に熱中症の広告を掲載した。とにかく、発熱外来はこれまでより忙しくなりそうだ。特に、感染による発熱か、熱中症による発熱なのか、の鑑別は重要だ。熱中症は緊急治療が鉄則。車内待機は危険であることを心して対応しなければならない。

 

憂鬱なことばかりではない。

今後急増するCOVID-19/インフルエンザと熱中症に対して、3年に及ぶコロナ禍で検査と治療に奔走した発熱・救急外来システムの経験が再び活かされる。看護師不足の中、外来患者へのクラークシステムの努力と進化、広報活動の推進と改善。さらに、急性期病棟の看護体制、地域包括ケア病棟および回復リハビリ病棟の看護・リハビリ体制が進化・改善している。

 

安全かつ迅速に命を救う為、種子島医療センターの結束とパワーで「発熱の夏」を乗り越えよう。

 

病院長 髙尾 尊身