7月講話  マッチョは病院を元気にする?

常々思っていることがある。種子島は予想に反して車社会で、しかも喫煙者が多く、住民は歩くことをしない。70歳を過ぎると足腰が弱くなり、喫煙者はCOPDとなり、転倒骨折、嚥下性肺炎などでの入院が多い。本院の職員たちもその中の一人なのだろうか? 元気な病院はまず職員が元気でなければならないのだが・・・。

 

最近、マッチョだらけの介護施設が業界に旋風を起こしているらしい。TV番組でマッチョを集めた事業所の特集があった。知的障害者の介護では確かに力が必要だ。マッチョの介護士たちはたくましい腕で悠々と要介護者を介助する。介護される方も安心して任せているように見受ける。今では「マッチョ介護」の言葉が定着したという。

 

ビジョナリー(株)は障害者・障害児向けの介護施設を全国で展開している福祉企業で、従来の募集では殆ど応募者がいなかったのだが、マッチョな介護士を募集したところ応募者が急増し、2018年には、福祉業界として初めての「フィットネス実業団」の設立に至った。ボディコンテストに出場する選手を「企業の顔」として雇用するのだ。この実業団の制度が面白い。1日の業務内訳が、福祉現場での業務が6時間、筋トレが2時間となっている。

 

丹羽悠介氏(フィットネス実業団創始者)の以下の言葉は逆説的だが的を射ている。

「人材不足を解消するコツは、採用のハードルを下げることではない。逆にハードルを上げて適した人材を選び抜くことだ

「介護する人ほど、“遊び人”であってほしい。人生が充実していないと、他人を元気になんてできない

 

ところで、みなさんは本院に院内ジムを設置したことをご存知だろうか?

もし、あなたがマッチョを目指すとしたら、これまでの医療業務に何かしら良い変化を起こすかも知れない。マッチョとまではいかないまでも、医療者として健康を維持する方法の一つとして積極的に活用して頂きたい。

 

院内ジムは職員であれば男女区別無く、年齢制限も無く、誰でも利用できる。ジムになれていない方には指導員がいる。あなたの筋力アップが患者のしあわせに繋がるとしたら、それが「病院が元気」の証の一つとなる。

 

 

病院長 髙尾 尊身