稲盛財団は、2025年の京都賞を心理学者キャロル・ギリガン氏に授与しました。彼女は、著作「もうひとつの声で」(1982)で道徳性の発達理論を進化させ、「人には他者からのケアが必ず必要である」というケアの倫理を提唱しました。(日本経済新聞・品川哲彦のコラムから改変)
病気やケガをした時、「元の生活に戻れるだろうか?」という不安は誰もが抱えるものです。種子島医療センターのリハビリテーションは、そんな皆様の不安に寄り添い、入院中から退院後の生活まで、一貫したサポートを行っています。単なる機能回復にとどまりません。私たちが目指すのは、島民一人ひとりが住み慣れた場所で、最期までその人らしく暮らせる未来です。
入院から自宅まで、切れ目のない(シームレス)安心を!:
本院の最大の特徴は、救急搬送された直後の治療(急性期)から、リハビリに集中する時期(回復期)、そして自宅に戻るための準備(生活期)まで、一つの病院内でスムーズに進められることです。 退院後も、当院の訪問リハビリや介護老人保健施設「わらび苑」と連携し、住み慣れたご自宅での生活をチームで支え続けます。「退院したら終わり」ではありません。シームレスなリハビリテーションを提供していますので、安心して頼ってください。
「自分らしく生きたい」というあなたに合わせた専門的なリハビリを!:
本院には、全国から集まった意欲ある専門スタッフが多数在籍し、幅広いケアに対応しています。
・身体を動かす: 脳卒中の後遺症や骨折、関節の痛みに対し、機能回復を目指します。
・食べる・飲み込む: 「むせ」や飲み込みにくさを改善し、食事を楽しむお手伝いをします。
・息苦しさの改善: 肺の病気などによる息切れを和らげ、楽に動けるよう練習します。
・がんと向き合う: 体力の低下を防ぎ、その人らしい生活を送れるようケアします。
・発達支援: 遊びや学習を通じた小児リハビリテーションで療育を行います。
本院は、鹿児島県から「地域リハビリテーション広域支援センター」の指定を受けています。これは、熊毛郡全体のリハビリの質をリードする役割を担っている証です。島外に行かなくても、ここ種子島で質の高いリハビリテーションを受けていただけるよう、スタッフ一同、最新の知識と技術で「あなた」をサポートいたします。
日本はこれから高齢者社会へ突入していきます。戦後からの復興のために懸命に社会貢献し、若い世代をケアし人材育成してきた高齢者たちにとって、住み慣れた場所で、かつ楽しく過ごせるように、リハビリテーションの若きプロフェッショナルたちが、あなた方をしっかり心を込めてケアいたします。
人には他者からのケアが必ず必要となる時がやって来るのです。私たち種子島リハビリテーションは、「誰もが誰かにケアされる」をシームレスに実践しています。
病院長 髙尾 尊身