種子島医療センター

6月講話  職場体験中学生へのメッセージ

 

今般、種子島中学校から26名の生徒さんが、種子島医療センターの職場体験に参加されました。皆さん、元気で礼儀正しく、かつ各部署での体験を真剣な眼差しで見聞きしていました。彼等の多くの疑問に対して各部署の職員は適切な回答をしていたと思います。そして、私にも幾つかの質問が寄せられました。その中から、回答と共にメッセージを送りたいと思います。

 

質問1 本院が、今、解決すべき課題は何でしょうか?

答え1 医療従事者の不足と負担増です。看護師をはじめとする医療従事者の不足が深刻化しており、既存の従事者への負担が過重になっています。これは、労働環境の悪化や医療事故のリスクを高める要因にもなります。したがって、医療従事者数を増加することで地域医療の崩壊を防ぐことが大きな課題です。

 

質問2 今後、AI技術などのロボットやAIを導入する予定はありますか?

答え2 DX医療は今後発展していく分野です。AIの導入は積極的に行います。

 

質問3 今後、無くなってしまう可能性のある医療はありますか?

答え3 医療はAIの普及で効率化されていくでしょうが、全く不要になる医療分野は考えにくいです。医療は常に人間中心であり続けるため、人類が滅ばない限り医療は続きます。医療は時代と共に高度化・効率化され、その役割が大きく変容していくでしょう。

 

皆さん、職場体験お疲れ様でした!

今回の体験を通して、看護師をはじめとする医療従事者の人手が足りていないという現状を肌で感じてもらえたのではないでしょうか。ここ種子島では、島出身の医療従事者が少なく、島外からの力に頼っているのが現状です。でも、考えてみてください。「種子島の医療は、種子島で守る」という気概を持つ、あなた方のような若い力が、まさにそれを担う時代がもうすぐそこまで来ています。

医療の現場は、決して楽な仕事ばかりではありません。それでも、人の命と健康を支えるという、これ以上ないやりがいと尊さがあります。皆さんの医療への熱意が、将来の種子島の医療をきっと救い、さらに活性化させることを、私たちは強く期待しています。

 

今回の経験が、皆さんの未来への一歩に繋がることを心から願っています!

 

 

病院長 髙尾 尊身