H3ロケット6号の打ち上げが成功しました。JAXAチームがプレッシャーの中で懸命に努力を重ねた結果が報われた瞬間であり、新しい宇宙探索への始まりです。
「悩んだら新しいことをやった方がいい。どちらが面白いかを考えて面白い方に進むようにしてきました」日本人初の宇宙飛行士・毛利衛さんの言葉です。
さらに、「宇宙から戻り、世界中の名も無い人々の活動がつながって過去から命を紡いできたことに気づきました。微生物から人間まで、すべての命は互いにつながりながら必死に未来に命をつなごうとしています」と語っています
私たちは、いつの間にか「安定」という名の安全地帯に囚われがちです。特に、先の見えない不安が蔓延した今の世界、未知への一歩はより一層、大きな勇気を必要とするものとなりました。しかし、その足踏みする時間こそ、毛利さんの言葉が真価を発揮する時なのかもしれません。
「面白い方」とは、決して無謀な方、楽な方という意味ではないはずです。それは、自分の好奇心を揺さぶり、心を弾ませるような、挑戦と探求に満ちた道のこと。その道を選ぶことは、たとえ失敗したとしても、後悔ではなく、新たな学びと発見をもたらしてくれるはずです。毛利さんが宇宙から見た景色は、きっとその「面白さ」の究極の形だったのかもしれません。
毛利さんはさらに、宇宙から地球を眺め、衝撃的な事実に気づいたと語ります。「世界中の名も無い人々の活動がつながって過去から命を紡いできたことに気づきました。微生物から人間まで、すべての命は互いにつながりながら必死に未来に命をつなごうとしています」。
この言葉は、私たち一人ひとりの存在が、見えないところで膨大な生命の連鎖の一部を担っていることを教えてくれます。私たちがコロナ禍で経験したことは、まさにこの「つながり」の再認識でした。人と人との直接的な接触が制限される中で、私たちは間接的なつながりの力を知りました。医療従事者の献身的な努力、食料を届けてくれる人々の働き、そして遠く離れた家族や友人とオンラインで交わす温かい言葉。それらはすべて、生命を未来へとつなぐための、尊い営みでした。
毛利さんの言葉は、この困難な時代を生きる私たちに、希望の灯をともしてくれます。私たちが下す「面白い」という選択は、単なる個人的な満足に留まらない。それは、知らず知らずのうちに、未来を紡ぐ壮大な物語の一部となり、見えない糸で結ばれた他の誰かの命をも支えているのかもしれません。
そして今、「面白い」は種子島に暮らす私たちから始まるのです。
病院長 髙尾 尊身