7月朝礼講話―私たちの生きる証―

 

梅雨の季節はあぜ道に鮮やかに映える紫陽花が心を癒してくれます。
私はこの季節が意外と好きなのですが、その梅雨も終わりが近づいています。

 

さて、6月に日本中で話題になったことがあります。
一つは将棋の藤井聡太四段(14歳・中学3年生)の連勝新記録(29連勝)であり、もう一つは小林麻央さんのブログではなかったでしょうか。
乳がんに関する闘病日誌でもあるこのブログは私ども医療従事者にとっても、がんの早期発見と早期治療の大切さを再度考えさせました。

 

麻央さんのブログで何が多くの人を感動させたのでしょうか?
麻央さんにとってブログの意味は何だったのでしょうか?
麻央さんはそこに真剣に生きる証を綴り、かつ生きた証を残したかったのではないでしょうか。
自分のためでもあり、子どもたちのためにも。
日常の雑務に追われ、私たちが忘れている大切な何かがこのブログにはありました。
だからこそ多くの人がこのブログに惹きつけられ、かつそれぞれの人がわが身にも問いかけているのではないでしょうか。

 

今、私たちは果たして真剣に生きているでしょうか?
私たちが真剣に生きることとはどういうことでしょうか?
ここにいる皆さんを含めて、私たちが確信できることは、懸命に生きようと努力している患者さんたちを看護できる、介護できる、リハビリをすることが出来る、何よりも癒してあげることが出来る。
私たちは真剣に生きる価値のある仕事をしていると思います。
真剣に医療に従事する、それが私たちの生きる証でもあるのです。

 

7月は種子島らしい本格的な夏を迎えます。
今月もよろしくお願いいたします。

 

髙尾 尊身