7月朝礼講話―あなたがエンターテイナーになる時―

 

ワールドカップ・サッカーで寝不足の人も多いと思います。日本は誰もが予想だにしなかった試合展開で予想を覆して決勝トーナメントに進出しました。しかし、世界が最も驚いたのは試合後の日本人サポーターによるゴミ拾いでした。サッカーに勝つことは大事だけど、それよりももっと大切なものがある。それが世界の心に響いたのでしょう。

 

ワールドカップ・サッカーはオリンピックに匹敵するエンターテインメントと言っても過言ではないでしょう。辞書によると、エンターテインメントとは「人々に感動や元気を与えられる」娯楽だそうです。今回の日本チームでは、プレーヤーは勿論ですがサポーターもエンターテイナーでした。

 

ところで、医療は娯楽と対極の位置にありますが、勇気や元気を与えることができる職業です。患者さんからの感謝の手紙を読みます(ここでは割愛)。

 

高齢者医療を懸命に続けていくことは尊いことですが、生真面目にやり続けるにはなかなかしんどい仕事です。ひと対ひとの対話をしていく作業が基本ですから、そこに「ゆとり」や「ユーモア」があるともっと効率よく患者さんの理解を得られる医療がスムースに行われると思います。あなたの明るさと思いやりのこもった振る舞い、仕事ぶり、何気ない会話が患者さんを勇気づける時、あなたがエンターテイナーになり、医療がエンターテイメントになる瞬間なのです。

 

今月はエンターテイナーとしての患者ケアをお願いします。

 

髙尾 尊身