9月朝礼講話―9月は宇宙の話をしよう―

 

皆さんの協力のお陰で年報「飛魚」が出来上がりました。「飛魚」は、種子島医療センターの29年度の実績の記録とともに、皆さん自身の足跡を綴った記録でもあります。是非、目を通してください。また、今朝は幸運にも台風21号は種子島を避けるようにして通過していきました。今日は、台風一過で秋晴れになるようです。

 

さて、少し宇宙にまつわる話をしましょう。ビッグバンで宇宙が誕生してから136億年経っているそうです。したがって、世界の宇宙開発は始まったばかりと言ってもいいでしょう。その中で日本の宇宙開発は1950年代の半ばに糸川英夫博士が30cmほどの小型ロケットを使って大学で始まった研究が徐々に大型化し、現在では人工衛星を打ち上げるようになりました。現在の宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、日本で初めて統一された宇宙機関です。

 

本院はJAXAの提携病院としてJAXAを支援しています。その中の一つにメチレンブルーの提供があります。ジメチルヒドラジンがロケット燃料に使用されていますが、毒性が強く、メトヘモグロビン血症を引き起こし、その治療薬がメチレンブルーなのです。

 

ロケット開発は、日本の未来にとって技術革新の一つであり続けると同時に、ロケット打ち上げは私たちを鼓舞し、かつ感動させます。県外から来られた新入職者は実際に肌で感じてほしいと思います。9月12日は,毛利衛(まもる)宇宙飛行士がエンデバー号で宇宙に発った日(1992)にちなみ「宇宙の日」と名付けられました。今月はその前日にロケット打ち上げがあります。

 

ロケット打上げを見る時は、この宇宙に一番近い島で私たちの医療が必要とされていることを実感する時でもあるのです。9月の種子島は、素晴らしい夜空が広がり、宇宙を考える良い季節かも知れません。

 

今月もよろしくお願いします。

 

髙尾 尊身