9月朝礼講話―変化を恐れない―

 

8月は行事やイベントが盛りだくさんで、本当に色々な出来事がありました。鉄砲祭りでは悪天候で手踊りが中止になりガッカリしましたが、同日に行われた初めての緩和ケア研修会は好評でした。また、認知症と睡眠障害に関するセミナー、「子育ち支援」の市民公開講座等は医療関係者にも大変勉強になる内容でした。市民公開講座は、当院の岩元先生をはじめとする種子島四つ葉の会の皆さんのご尽力により開催されました。医療・保健・教育・福祉の四本柱で種子島の子育てを支援しようという取り組みで、当院リハビリの立花副主任が小児のリハビリテーションについて有意義な発表をしました。種子島は子供を育てるのにとてもいい環境である、と私は考えています。このような地道な取り組みにより、子供の数がもっともっと増えるよう、医療面から種子島の子育てを支えて行くのが種子島医療センターの務めであると思います。

 

さて今月はというと、伊集先生の復帰、助っ人野田先生の来島、3名の研修医勤務、医学生実習、9月限定の変則的な内視鏡検査日程など、何かと慌ただしいひと月になりそうです。

 

ところで、みなさんは障害者用駐車場が増設されたこと、特別室がリニューアルされたことを知っていますか?これらは患者さんからの投書がきっかけになりました。私を含め職員の誰も気づかなかったことをご指摘いただき、病院の改善につながったケースで、大変感謝しているところです。考えてみると、私たちの日常生活には、「慣れ」すぎることで見逃してしまうことがたくさんあります。その見逃しが医療の現場で起きる場合は医療事故となる可能性が大きいわけです。ある統計によると、経験年数の多いベテランほど重大な医療事故を起こすリスクが高いそうです。すなわち、経験や「慣れ」が医療事故を引き起こす。医療者は「変化」に敏感であること、そして新しい知識を吸収し続ける姿勢が求められます。医療は進歩し続けます。進歩と共に医療者の在り方も「変化」しなければならない。私たちは「変化」を恐れずに前進しましょう。

 

今月はさらに前向きに頑張りましょう。

 

髙尾 尊身