
とても寒かった冬が終わりそうで、島のあちらこちらに菜の花が咲いているのをみると、春の訪れを感じます。
先日、そのうち植えようとサムズで買っておいたスイカの種を蒔きました。蒔いた種の数はポッドにそれぞれ3粒ぐらいずつ。一袋に入っている種の数は多くて20粒ぐらい。これが全部育ったら食べきれないよと皮算用しつつの種まき作業は、春の暖かい風を感じながらの心地よい時間でした。
発芽するためのコツを調べてみると、温度が20度以上で適度な水分を保つことが重要なようです。もちろん、発芽してからも間引きをして苗が育つと定植し摘芯や整枝、追肥や着果など私のようなど素人には難しい作業が続きますが、種子島実業高校園芸科の教師だったという私のじっちゃんの名にかけて、これからも大事に育てたいと思います。
さて、人も植物と同じで、育てるためには種を蒔き、成長につれ、こまめに面倒を見ていくことが大事だと思います。それは、患者さんに対して常に目をかけ手をかけていくことも同じで、真実は一つです。
人材不足が急速に進む時代となっていますが、それを嘆いてばかりいても始まりません。時間はかかるかもしれませんが、私たちは将来のために、今のうちに種を蒔き、出てきた芽を地道に大事に育てることが必要だと思います。
来年の春には種子島に看護学校サテライト教室が開設します。今春の種子島高校の卒業生の進路で一番多かったのが、看護師をはじめとする医療従事者だったと聞きました。また、種子島高校の卒業生から医学部に進んだ生徒もおられます。中学生や高校生のインターンシップも多くの参加者に来ていただいていますし、大都市圏で行われる就職説明会でも多くの若い方が当院のブースに来ていただいています。
種は蒔かれています。私たちの後を継いでくれる若い子達は確実にいます。
見た目はまだ子供かもしれませんが、その子達が私たちが繋いできた医療介護の次の担い手となり、この種子島で若い力を存分に発揮できるようになるまで、皆さんと大切に育てて行きたいと思います。
理事長 田上 寛容