田上理事長の講話
令和6年5月

糖尿病で通院している患者さんがいます。
お元気そうですが、採血をしてみるとHbA1cが上昇しています。食事療法が出来ていないのが原因と考えられ、本人にそのことを尋ねると、「甘いものは一切口にしていません」とか、「水しか飲んでいません」とか、「かすみを食べて生きています」と言いますが、憎めない人です。


高血圧で通院している患者さんがいます。
家庭血圧の測定をお願いしていて、診察時に血圧手帳を確認しますが、前日の血圧だけ記載してあって116/70です。病院で血圧を測定すると188/106あります。「家での血圧はいいですね」と褒めてみると、「日頃の行いが良かからやろうな」と言いますが、憎めない人です。


脂質異常症で通院している患者さんがいます。
定期受診の予約日には必ず受診されますが、採血で脂質異常がなかなか改善しません。診察をしていると、「何故だか分からないけど、薬が余ってしょうがない」と言うので、どれくらい余っているのか聞いてみると、「ちゃんと飲んでいるはずなのに、3カ月分ぐらい余っている。どうしてなのか全然わからない」と言いますが、憎めない人です。


アルコール性肝障害で通院している患者さんがいます。
採血をすると肝機能がさらに上昇していたので、アルコールを控えるように指導すると、「最近は全然飲んでいない」と、お酒の匂いをプンプンさせながら話しますが、憎めない人です。


ある嫁の話です。
高速船に乗る前に、南埠頭でのお迎えをお願いしようと電話をすると「いくよ」と二つ返事だったのですが、港に着いてしばらく経っても来ないので、ひょっとしたら来る途中で事故にでもあったのかもと心配して電話すると、「まだ家にいる。忘れてた」と、悪びれることなく言いますが、憎めない人です。


いろいろな人がいますが、みなさんが幸せであることが一番です。
今月も元気に明るくいきましょう !

理事長 田上 寛容