田上理事長の講話
令和6年8月

  • パリオリンピックやってますね。テレビから離れられない毎日が続いています。

いろいろな競技で、悲喜こもごもありますが、選手のみなさんは、国の代表として、どれだけ過酷な練習を耐えてきたんだろう。それだけ多くのプレッシャーに耐えてきたのだろうと思うと、クーラーの効いている部屋で一喜一憂している自分が情けなくなります。


さて、知らない人はいないと思いますが、シドニーオリンピックのマラソンで金メダルをとった高橋尚子選手(Qちゃん)についての話です。

実は、高橋尚子選手の同世代に、もう一人すごいマラソンランナーがいたのだそうです。その方は、Qちゃんの先輩で、もともと1万mで優秀な成績を収めていたその選手は、監督の小出義雄さんに、何度もマラソンをやるように言われたようですが、「あんな長い距離は恐ろしくて走れません。私は1万mでいいです」と言って受け入れなかった。その後、有森裕子さんというランナーのオリンピックでの活躍に刺激を受けて、マラソンに転向したそうですが、それまで10年かかったそうです。

小出監督は、もし最初に勧めたときに、その選手が「はい」と言っていれば、多分オリンピックで2つは金メダルを取っていただろう。そして、シドニーオリンピックの金メダルもQちゃんでなく、その選手であっただろうと言っています。

その選手は、マラソンの才能としてはQちゃんよりも断然優れていたとのことでした。では、なぜQちゃんが金メダルを獲れたのか。

ただ、Qちゃんは、素直だったし、明るかった。そして、いつも前向きだった。他人の成功を素直に喜んだ。そんな性格が、オリンピックでの金メダルを引き寄せたのでしょうと語っています。


素直で明るい前向きな心。

言うのは簡単ですが、なかなかできません。でも心掛けることはできます。

素直で明るい前向きな心。

そんなあなたはみんなに応援されるでしょう。

素直で明るい前向きな心。

それが、あなたに福をもたらすのだそうです。

(致知2010年9月号より引用)




理事長 田上 寛容